、うるさいよ」

「あ、すいませ…て、ぇ?いや、ええええ?なに?え?なんで?」

亘に窘められるがそんなんで収まる吃驚かげんじゃない。
少女マンガじゃないんだから、こんなにていよく出てくる!?




「じゃぁね、美鶴」

「え?」

「ああ、悪いな」

「は?」

「いいよ、二人とも大切な友達だからね」

「え、ちょ、亘?」

「はやく風邪治しなよー」


亘はさわやかにそう言って去って行った。

残されたオレと美鶴。

流れる気まずい空気。


何で帰ったんだよあいつ、もっと空気読めるやつじゃなかったか?いつからあんな…



「うひゃい!」

俺は思わず勢いよく体を起して、ベッドに正座した。


「いや、寝なよ。具合悪いんでしょ?」

「あ、はい…」

と、返事したものの、俺はその体制から動けずにいた。

オレを悩ます本人を目の前にして、のうのうと寝てもいられず

おまけに、マンガのように泣きじゃくるわけでもなく

びっくりしすぎて、何が何やらもうわかっていない。


「あ、あの…」

「別れないから」

「え?」

「別れないからな」

「え、え?あの……はぁ?」

「あの女に、付き合わないとに危害を加えるって言われて仕方なくそうしてただけだから」

「え?で、でもだって、何にも」

「言ったら首突っ込むだろ?は危なっかしいから話すべきじゃないと思ったんだ」

「で、でも、だって」

「『だって』、『でも』、じゃない。それが真実」

「ぁ…昨日の電話…だってうざそうだったし…」

「あの女の前でと話してるところ見られるのはまずいだろ」

「で、でも、じゃぁなんでいまさら…」

「片付いたから」

「へ?」

に、別れるって言われて一気に眼がさめた。だから、全部片付けた」


美鶴の言葉にあんぐりと口を開けて間抜け面を曝した。

オレの苦労は心労は涙はいったい何だったんだ。


「まぁ、そんなわけだから、別れないからね」




俺の気苦労は一気に過ぎ去っていきました。






「美鶴のアホーー!」

「ん?今夜は寝かしてほしくなって言うこと?任せなさい」

「ち、ちが…!」


なんて憎たらしいやつ!大っきらいだ美鶴なんて!

でも、

「愛、してる、美鶴」

「…僕もだよ、



09/01/14