何だか息苦しくて目が覚めた。
「おはよう、」
「おは…え?何で秋?…あ、はよーざいマス?」
寝起きプチ混乱でお送りしております。現場のでーす。
枕元のお気に入りの置き時計(ヒヨコ型のピーちゃん)を手に取ってみるともう時刻は朝の9時を差していた。
もうと言っても、俺の起きる時間はいつも11時なのでとても辛い!
長い溜息を付いて俺の上に馬乗りになっている少年というか青年というか、秋を見た。
「秋サン。トテも重たいデース」
「欧米?」
俺の分かり難いボケも全てくみ取ってくれる秋さん大好きっ。
胸の上から消えた重みに俺は大きく深呼吸して肺を満たす。
いくら秋が標準以下の体重だとしても俺は胸筋を鍛えているわけではないから重い。
ロフトへの梯子のところに腰を下ろした秋はどうやら俺に用事があるらしい。
「ちょっと、折角起こしたんだから寝ないでよ」
「駄目、眠い。俺の種族は1日12時間寝ないと生きていけないのー!」
「君の種族は6時間睡眠でしょ」
「…たった今から俺の種族は変わった。俺はネムネム族なの」
「何処の田舎の民族?良いから、ほら、起きて」
そう言って秋は(一体何処にそんな力を秘めているのか)細腕で俺を布団から引きずり出して座らせた。
寝起きの俺は当然力なんて入るわけもなく、なすがまま子。
(ていうか暴れた日にゃぁ、ロフトから落とされるっ!)
「そいで、秋はどーしてネムネム族長老の俺を起こしに来たの?」
これで「なんとなく」とか言ったら、もう一回寝てやる!
「バスケ行こ」
「………は?」
だからバスケ、ともう一度そう告げる秋。
「あれ。秋君はこのスペシャルにバスケが上手な俺はもう連れて行かないってこの間言ってたじゃないですか」
「スペシャルにバスケが下手なはもう連れて行かない予定だったんだけどね」
む、失礼な。
「白姉さんたちがは今日は来ないのかって五月蠅くて」
「秋は?」
「?」
「秋は俺が行っても良いの?」
俺が首を傾げて聞くと、秋は呆れた顔をしてロフトの梯子を飛び降りてしまった。
そのままスタスタと床に散らばる物を避けて部屋を出ていこうとする。
「あ、ちょっと、秋っ!」
「10分」
「?」
「10分後に出るから早く支度して」
秋はそう言うと部屋を出ていってしまった。
ようは、ついて行っても良いと言うことだろう。
「って!10分!?」
時間が、朝ご飯が、と勢いよく立ち上がると
「あ、」
足がよろけて、ロフト下へと、落ちた。