「のこと好きなんさ」
今日、好きな人に告白されました。
いつもとは違った真剣な瞳をして俺を呼び止めて、ラビは俺に告白してきた。
ああ、何て嬉しいんだろう。
言葉に出来ないくらい感情が溢れそうで、胸が熱くなる。
でも、忘れたらいけない。
「ありがとう、ラビ」
「じゃ、じゃぁ・・・!」
「でも、ごめんね。俺は君がそういう意味で好きなんじゃないから」
ラビの顔が一気に陰る。
そんな顔が見たいわけじゃない。
笑って欲しいのに。
太陽のような笑顔で皆を照らして欲しいのに。
見れば見るほど、無視し続けてきた壁がごく身近まで迫ってきている。
違いに気づかされるのだ。
君はブックマンの後継者。
そうだよ、俺なんか君の足元にも及ばない。
「それじゃ、又任務の時はよろしくね」
俺はにっこり笑ってラビの前から踵を返した。
ラビの視線を背に感じながらにじみ出そうになる涙を唇を噛んで堪えた。
胸から血が溢れてくるようだ。
痛い
痛い
痛い
俺はしっかり笑えたかな。
俺はラビを傷つけてしまったかな。
駆けて行きたいのを堪えてゆっくり歩き角を曲がった。
ラビの視線から抜け出した俺はその場から逃げるように一直線に自分の部屋へ逃げ出した。
我慢のしすぎで涙が止まらない。
我慢した分の涙が頬を伝い目を腫らし顔をぐちゃぐちゃにして、
俺は一番欲しかった、一番好きだった人を、今日ふりました。