「っとぉ。・・・大丈夫?」

そうやって声をかけると線の細い青年は恐々と頷いた。



コムイから連絡を受けて駆けつけてみれば青年が今にも殺されそうで、慌てて間に割って入った。

青年は既にボロボロで、けれどオレをみた青年の瞳に安心したような光が灯ってなんだか少し嬉しかった。



(それがその時何て言う気持ちなのかまだわかっていなかった。)



レベル2のAKUMAに目を移すとAKUMAも同じくボロボロで、青年のシンクロ率が低い事を聞いていたので正直驚いた。

シンクロ率40%でここまで戦えるとは。

AKUMAは弱っていたので苦戦する事もなくレベル2にしては楽々倒せた。

早々に青年に駆け寄った。



震えている。

俯いて震える青年を見て無性に抱きしめたい気持ちにかられたが、何とか堪え青年の頭を軽く叩いた。

震えがとまった。

青年と瞳が合う。



ああ、なんて綺麗な瞳をした青年なんだろう。



澄んだ空色にオレは魅せられながら青年の名前を知りたくなった。

にっこり青年を怖がらせないように笑いかける。

「オレはラビ。ブックマンの後継者さ」

「・・・。俺は







心の中に刻み付けるように復唱した。



「よろしく



名前を呼ぶと自分がドキドキした。



はオレにとって空であり澄んだ水のように綺麗でサラサラとした人だと思った。



オレはまだこの気持ちをわかっていない。