数日が経った。

あれ以来、俺はラビに会わないように極力自分の部屋から出ないようにした。

食事と風呂以外、部屋の外に出ない日が何日も続いた。

いつもは気を遣っているのか側に入れてくれるアレンもリナリーも任務で今日はいない。

することがなく俺はベッドの上で体育座りをした。

何もする事がないとラビの事を考えてしまいそうだ。



心にポッカリ空いた穴。



風通しが良すぎて痛い。



また思い出し泣きそうになった。

気晴らしに外に出てみようと思った。

確かアレンとリナリーとラビは同じ任務だからラビは居ないはず。

久しぶりの外に大きく息を吸い込み吐きながらゆっくり歩く。

時間が夜遅いせいか誰も居ない。

自分の足跡だけが響き俺は昔の事を思い出した。



独りだ。

一人じゃない。独りだ。



ラビがいないだけでこんなに俺は弱い。

壁に手をつき俺はずるずると座り込んだ。

喉が焼けるように熱い。

ラビのことを思って泣きすぎたせいなのだろうか。



その時、数人の慌てた声とバタバタとした足音が聞こえた。

喉を抑えながらその騒ぎの場所へ行き野次馬をしているファインダーの間を縫って騒ぎの中心へ向かう。

そこにはまだ小さな少女が血だらけで横たわっていた。

その周りに何人かの医療班の人間が居る。



ドクン、と俺の心臓が喉が跳ねた。



声にならない声が漏れる。

すぐ側にいたリーバー班長に駆けより事の次第をたずねる。



少女はエクソシストだと判明されつれてこられた子らしいが、途中でAKUMAの襲撃に合い、なんとかファインダーに守られ此処に辿り着いたのだと。



少女はイノセンスを持っていない。

それをリーバー班長に尋ねると彼女のイノセンスはまだ見つかっていない、と言われた。



「ーッ」



俺は逃げるようにその騒ぎから抜け出した。



喉が爛れていきそうなくらいに熱い。



後ろからリーバー班長の声が聞こえたが立ち止まらなかった。



この喉の痛みに俺は全てを理解してしまった。



もし神様がいるのなら、神様はどこまでも俺がきっと嫌いなんだ。