「今の状況をどう見る、リーマス」
「確実に良くない展開ではあるね、ジェームズ」
* * *
先ほどを見かけた。
最初見たときは、背中だけでコソコソと歩いていたので誰だかは分からなかったが、ちらりと見えた鮮やかな金髪を持つのはは真白以外僕は知らない。
隣にいたリーマスが小さい声での名を呟いた。
それにつられるように、スネイプもを見た。
僕が大きな声で彼の名を呼ぶと、ビクリと身体を震わしてこちらを振り返った。
「っ・・・」
息を呑んだ。
大きな目は遠目でもわかるほどに潤み、高揚した頬、イコールは泣いている。
慌ててリーマスが駆け寄ろうとすると、は一目散に寮の方向へ逃げてしまった。
どうやら、僕らには知られたくなかったみたいだ。
とりあえず僕はスネイプに向けていた杖を下ろして仕舞い、リーマスに尋ねた。
「今の状況をどう見る、リーマス」
* * *
スネイプは珍しく捨て台詞もなく早々に姿を消した。
彼のことだから内心は真白のことを気にして居るんだろうけど、が逃げていった方向は僕たちの寮だから追いかけるにも追いかけられなかったのだろう。
今の状況をどうみるか。
その問いは至極簡単だった。
「ねぇ、最近シリウスも様子変だよねー」
問いに問いで返す。
しかし秀才な彼は意図をくみ取っているらしく面白そうに腕を組んでいた。
「多分僕らの思っている通りだ」
「多分気がついていないのは本人たちだけだと思うよ」
二人で頷きあう。
しかし、
「を泣かせるのはやり過ぎだね」
ポツリとつい声が溢れてしまった。
隣でジェームズがひぃと小さな悲鳴を漏らしている。
本当は今すぐ駄犬のところに行って一発殴ってしまいたいところだけど、それじゃぁ意味がない。
二人には友達として幸せになって欲しい。
だからその為には本人達で何とかして貰わなくてはいけない。
だけど、だけど。
僕だってが好きなんだから泣かせるのは許せないんだけど、ねぇ。
貴方へと送る密謀は
(黒い物が渦巻いている!)