二人はまるで生まれる前から一緒だったかのよう




「まだ終わらないのか?」

「うー・・・ん・・・・・・・・・もう少し・・・」

時刻は午後5時半。

ちら。と視線を上げて、は握っていたペンを置く。

ぐ、と伸びをして、肘を付いて自分を見つめるミツルの方を見た。

「こんなに暗くなるまで待たないで、先に帰ってくれても良かったのに」

「暇だから良いんだよ。思う存分、顔も眺めさせてもらったし」

「ミツルもテスト前のはずなんだけどね。

 ・・・・・・・・・そのうち見物料とるよ」

が顔を背けると、ミツルは口角を上げて笑みを浮かべる。

そっとの耳元で「それじゃあ身体で払う」と囁き。

「――――――――ッ!!」

顔を真っ赤にして耳を押さえる

それにふきだし、くすくす笑いながら机の上に広げられたのノートを閉じた。

「帰ろうぜ。もうすぐ閉まる」

周りを見ると、図書室にいるのは自分達二人だけだった。

テスト前は皆、遅くまで学校に残りたくないらしい。

筆記用具をケースにしまい、他のノートや教科書類も閉じて鞄に入れる。

「大変お待たせして申し訳ございませんでした」

そのまま手に取ろうとした鞄をひょい。とミツルに持っていかれて。

ミツルは二人分の鞄を左手で持つと、右手をに差し出した。

「お前はこっち」

「はいはい」

誰もいないから良いか、と大人しく手を握る。



そして指を絡ませて寄り添って、月も待たずにキスをした。



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