そっと繋いだ手が、強く握り込まれ、ぐっと引き寄せられる。
「また……こんなに怪我して……」
「大したことないさ」
アクマとの戦闘で傷付いた身体を、そっと抱きしめられて、
そのぬくもりに、ほっと安堵する。
いつ死ぬとも知れない世界に生きているオレたちエクソシストが
大切なものを作るリスクってのは、やっぱり大きいものだと思う。
には、いつもその不安を負わせているんだと、知っていて
けれど、このぬくもりは手離したくない。
「痛いくせに、ヤセ我慢すんなバカっ」
自分の方が痛いような顔をして、泣きそうになりながら、ぺちりと
オレの額を叩くは、年上だとは思えないほどに可愛くて、
だけど、幼くはならないキレイさで、オレを絡めて離さない。
「じゃあ、手当てして。 」
「ん」
「心配せんでもいいさ。 オレは簡単に死んだりしない」
身体を離して、薬箱を取りに向かうの背に、そう声をかければ
「……ばか」
小さく小さく呟く声が聞こえて。
わかっている。心配するなというこの言葉には、何の根拠も
ないのだということを、が知っていることくらい。
でも、それでも。
「好きだ、」
「っ……何いきなりっ」
思ったまま口に出せば、かあっとの頬に朱が散った。
「あ、照れてる」
「そっ、なっ……そりゃ照れるよ!悪いか!」
可愛い。可愛くて仕方ない。
「もう、からかうんなら手当てなんてしてやんない」
そう言って、ついとそっぽを向きながら薬箱を差し出して、自分でやれ
と、怒ったように言うの、薬箱を持つ腕を取って引き寄せて。
「からかってなんか、いないさ」
本当に、本気で、好きで好きで仕方ないのだと、その耳元に囁く。
「やっ……はずかしっ……てば!」
赤くなってもがくを、ぎゅっと腕の中に拘束してしまう。
でも、そろそろ限界……かな。
「な、」
「ん?」
呼びかければ、潤んだ瞳と視線が絡んだ。
「傷、痛いかも……」
「あ」
そういえば怪我人だったと、見ればの服にまでべっとりと
血がついてしまっている。
「わーっ!ごめん!!」
「いいよ、服なんか。 ほら、傷見せて」
世話ばっかりかけて、心配ばっかりかけて、ほんとごめんって思うよ。
でも、やっぱり、手離してあげられそうにはないんだ。
ごめんね、。 こんなオレでも、好きでいて?
きらいって言われても、多分離してあげられないからさ。
好きだよ、。 大好きだ。
〜End〜
あとがき
ラビ夢お待たせ致しました!!
ただ甘いだけの話になってしまいましてどうも(汗。
お気に召して頂けると、いいなぁ、なんて……。