弾丸が貫き窪んだ


其処が満たされる




「何でリボーンはさぁ、俺をファミリーに入れてくれないの?」

俺がリボーンの愛人になってから結構な時間が経つのに、リボーンは未だに俺をファミリーには入れてくれない。
雲雀みたいな強さも骸みたいな個性も山本みたいな運動神経も極寺みたいな閃きもツナみたいな安心感もランボみたいなウザさも笹川兄みたいな極限も無い俺。
戦えないからって言うのが第一前提かも知れないけど、俺だって何にも無しにファミリーに入ろうとしてる訳じゃない。
俺には蜘蛛の巣がある。所謂、情報網だ。といってもまだまだ規模は小さい。
だからこれから歳を重ねるにつれて巣をどんどんでかくしていくつもりだ。
この世界全てを多う蜘蛛の巣を張ることが俺の目標。
そんな俺をファミリーに入れないなんて可笑しくない?
将来的にもフゥ太のランキングに入るほどだったのに。
俺の何がいけないのか、リボーンは何一つ話してくれない。
それが悔しくて歯がゆくてもどかしくて行き場がない。
だから、何度も聞いた質問をした。今日の返答を期待して。

「お前は俺の何だ?」
「愛人」
「ならそれで満足だろ?」
「えー!ヤだヤだヤだヤだヤだヤだヤだ…」
「五月蠅せぇ」
「…。俺もリボーンと一緒に戦いたいもん。俺だけ安全なんてヤだ。死ぬときも一緒にいたいもん」
「……」
「ねぇ、リボーンは俺が嫌いなの?だから一緒に戦いたくないの?俺が弱いから?俺が女じゃないから?飽きちゃったの? …ふっ、ひっく、ねぇ、リボーン…ふぇ…俺がぁ、嫌いになっちゃったの…?」
「チッ。泣くな」
「ふぇ、だってぇ…」
「一度しか言わねぇから良く聞け。俺は安心して帰れる場所を作りたいんだよ」
「ツナのとこ?」
「何で話の流れでそうなるんだよ」
「ファミリーだって安心できるじゃんかぁ」
「ファミリー外で作りてぇんだよ。、お前が其処に居ることを俺が許可してやってんだ。なんか文句有るか?」
「……えへへ、無いです」
「泣いたり笑ったり忙しい奴だな」
「えへ、リボーンの前だけだよ」
「当然だ」

口の端をつり上げる貴方にまたときめいた。